XLS-65 + XLS-66 · トップ 12 の詳しい版

XRPL Vault は、預けた XRP をどう運用するのか。

Vault(XLS-65)は XRP を預かってMPT の持分を出す帳簿で、それ自体は利息を生まない。利回りは Lending(XLS-66)の無担保・固定期間の貸付から来て、損失も同じ道で持分に落ちる。 入口の資格と持分の部品はもう動いているが、Vault と Lending の本体はまだ投票中。そろっても、使われるかは別の問い。

更新 2026.09.28図 14枚約9分確認済み仕組みサイト仮説未確認

  • 19/35Vault の賛成(有効化は 28/35 を2週間、2026.09.25)
  • 15/35Lending の賛成。あと 13
  • 5つ有効化済みの部品(Credentials・MPT・Permissioned Domains・DEX ほか)
  • 無担保XLS-66 のローン。固定期間・審査はチェーンの外
  • 未確認Vault に XRP を預けて貸した実績(Evernorth は意向のみ)
答え · 本線の図

Vault は XRP を増やす金庫ではない。預かって持分を出す帳簿で、利回りも損失も外の貸付から来る。Mainnet ではまだ投票中。

確認済み仕組みサイト仮説

増減するのは持分の枚数ではなく、1持分から引き出せる XRP の量。部品はそろいつつあるが、Vault と Lending はまだ 投票中——使われるかは別の問い(トップ 12「台帳の部品」)。

XLS-65・XLS-66(XRPL Standards、2026.09.15 更新)· xrpl.org · 賛成数は XRPSCAN(2026.09.25、09.28 も同じ)· 数値は説明用の例 · XRP 建て金利はサイト仮説

Vault は預かり、Lending は貸す

預けた XRP は、どこへ行き、何に変わるのか。

預けた XRP は、MPT の持分に変わる

確認済み

持分は新しい XRP ではない。Vault の中身に対する取り分を、整数の単位で記録しているだけ。

XLS-65(Scale は XRP では 0 で固定)· xrpl.org Single Asset Vaults · XLS-33(MPT)

貸すと、帳簿が「今ある XRP」と「返してもらう権利」に分かれる

確認済み模式図

貸しても価値は減らないが、今ある XRPは 40 に減る。引き出せるのは、この 40 の範囲だけ。

XLS-65(AssetsTotal・AssetsAvailable)· XLS-66(貸付債権)· 100・60・6 は説明用の例(旧版と同じ)· 現金主義は xrpld 3.4.0 の改正案 V1_1

1持分の中身は、この割り算で決まる

確認済み仕組み模式図

持分の枚数は変わらない。変わるのは割られる側——利息が入れば増え、損失が入れば、全員の持分が同じ割合で減る。

XLS-65 の交換レート(預入は AssetsTotal、償還は AssetsTotal − LossUnrealized)· 0.83・1.06 は説明用の例(06 の損失の例と同じ)

お金の流れと、損失の順番

利息は誰へ届き、損失は誰から減るのか。

XRP は借り手へ、持分と返済は預け手へ流れる

確認済み模式図

台帳が記録するのは実行と返済。借り手を選ぶ判断は、Loan Broker がチェーンの外で行う。

XLS-66 · xrpl.org Lending Protocol · Ripple「The XRPL Lending Protocol」(与信判断はチェーンの外、実行と返済はチェーン上)· 100・60・8 は説明用の例

利息は2つに分かれ、損失は預け手に残る

確認済み模式図

預け手の取り分は利息 − 管理手数料。その代わり、First-Loss を越えた貸し倒れを負う。

xrpl.org Lending Protocol(管理手数料・組成/返済/遅延/早期返済の手数料は Broker へ)· 8・2・6 は説明用の例

損失の順番:First-Loss で止まらなかった分が、持分に落ちる

確認済み模式図

First-Loss は任意で、上限もある。それを越えた分は、預け手全員の持分から同じ割合で減る。

XLS-66(impairment・デフォルト処理・First-Loss の充当)· xrpl.org Lending Protocol(CoverRateMinimum・CoverRateLiquidation)· 数値は説明用の例

部品の状態ボード(2026.09.28)

どこまで動いていて、どこから先が投票中か。

部品の状態ボード:有効・投票中・改正案

確認済み

Vault の入口(資格)と持分(MPT)はもう動いている。欠けているのは、Vault と Lending の本体。

XRPL Known Amendments · XRPSCAN(Vault・Lending は 2026.09.25、Confidential Transfer・Batch・V1_1 と有効化日は 2026.09.28 確認)· xrpld 3.4.0(2026.09.16)

有効化の物差し:28/35 を2週間

確認済み

Vault はあと 9、Lending はあと 13。28 を超えても、2週間続かないと有効にならない。

XRPL Amendments(有効化の手順)· XRPSCAN(Vault・Lending 2026.09.25、ほかは 2026.09.28)

改正案 V1_1:出入り自由の Vault に、期間ロック型を足す

確認済み仕組み

期間ロックは、いつでも出られる自由と引き換えに読める期間を作る設計。期間ごとの金利が並んで「床」になる話は XRP の金利と在庫ファイナンスで。

xrpld 3.4.0(2026.09.16)· XLS-65(2026.09.15 更新:募集・運用・償還の3つの時期)· 賛成数は XRPSCAN 2026.09.28 · 「長くは貸しにくい」は仕組み

機関が使えなかった壁と、残る壁

部品がそろえば、使われるのか。

機関が使えなかった5つの壁と、残る壁

確認済み仕組みサイト仮説

部品は5つの壁のそれぞれに答えを出し始めた。ただし、信用と損失の判断はチェーンの外に残る。

XLS-65・XLS-66 · xrpl.org(Credentials・Permissioned Domains)· xrpld 3.4.0 · 壁の分け方はサイトの整理

出口には門が2つある

確認済み模式図

出る権利はいつも残る。出られるかは、Vault の手元次第。先着順で、待ち行列はない。

XLS-65(First Come, First Serve · 足りなければ tecINSUFFICIENT_FUNDS)· xrpl.org(資格が切れても償還はできる)· 40・30・20 は説明用の例

部品がそろうことと、使われることは別

確認済み未確認サイト仮説

部品の存在は必要条件で、十分条件ではない。右の4つが埋まるまで、「XRP が台帳で貸し借りされている」とは言えない(トップ 12)。

XRPL Known Amendments · XRPSCAN(2026.09.25・2026.09.28)· Evernorth Form 425(2026.01.29、意向)· 右の条件の分け方はサイトの整理

XRP 在庫とのつながり

Vault と Lending は、XRP を「借りる」手をどう変え得るのか。

大口が預け、MM・PB が借りる。すると XRP 建ての金利が台帳に見える

確認済みサイト仮説未確認

Vault と Lending が変え得るのは、在庫の手のうち「借りる」。値段(金利)が台帳に出ること自体が新しい(サイト仮説)。

Evernorth Form 425(SEC、2026.01.29)· 保有は 2025年末 · 借りる→返すの1サイクルはトップ 09 · 金利が台帳に見えるはサイト仮説(トップ 11)

預けるだけでは、新しい買いにならない

仕組みサイト仮説

価格に届くのは、金利がXRP を持つ理由になり、買い足しが起きたときだけ(サイト仮説)。

預入・貸付が買い注文にならないのは仕組み(旧版と同じ整理)· 金利が持つ理由になるのはサイト仮説(トップ 25・26)

この見立てが崩れる観測

  1. 1
    Vault・Lending が有効にならない賛成が 28/35 に届かないまま、改正案 V1_1 などで作り直しが続けば、部品は「そろいつつある」のまま止まる。
  2. 2
    有効になっても、大口が預けないEvernorth 型の保有者が、無担保の信用リスクや出口の不確かさを嫌って預けなければ、XRP 建ての金利は台帳に出てこない。
  3. 3
    初期の Vault で、貸し倒れが先に来るFirst-Loss を越えるデフォルトが起きて1持分の XRP が減れば、機関のお金は来ず、Vault は小口の実験で終わる。
  4. 4
    借り手が XRP を借りないMM・PB が足りない通貨の用意を、ドルの借入・ステーブル・持つ・待つで足りるなら、XRP を借りる需要がなく、金利は 0 近くのまま。
  5. 5
    貸し借りが台帳の外で済むXRP の貸借が PB の相対取引など台帳の外で完結すれば、Vault の数字は市場の物差しにならない。

全体の反証条件はトップ 32「反証条件」、観測する指標は 33「観測KPI」。

出典と、この記事の読み方

確認済み=一次資料で確かめた数字・日付。仕組み=条件がそろえば成り立つ一般の仕組み。サイト仮説=公開情報をつないだこのサイトの読み。未確認=事実として確かめるべきだが、公開資料にない。模式図=数値は説明用の例。 2026.09.28 時点。2026.07.19 版(Vault の会計を1枚ずつ図にした版、09.28 に状態を更新)を、トップ Ver3 の背骨に合わせて作り直した。図の仕組みは、V1_1 より前の仕様(出入り自由の Vault から貸す形)に基づく。仕様は Draft で、変わる可能性がある。

  1. XRPLSingle Asset Vault(XLS-65)2026.09
  2. XRPLLending Protocol(XLS-66:担保なし・固定期間のローン、Vault から貸す)2026.09
  3. RippleThe XRPL Lending Protocol(与信判断はチェーンの外、実行と返済はチェーン上)2026.06
  4. XRPLKnown Amendments(Vault 19/35・Lending 15/35 が投票中、有効化には 28/35)2026.09.25 確認(XRPSCAN)
  5. XRPLPermissioned DEXes(参加者を資格で絞る板。AMM とは組み合わせない)2026.09
  6. SECEvernorth Form 425(XLS-66 を core pillar、2025年末に 473.1M XRP を保有)2026.01.29
  7. XRPLXLS-65 Single Asset Tokenized Vault(Draft:交換レート・先着順・期間ロック型を含む)2026.09.15 更新
  8. XRPLXLS-66 Lending Protocol(Draft)2026.09.15 更新
  9. XRPLXLS-33 Multi-Purpose Tokens(Final)Final
  10. XRPLPermissioned Domains(資格で区切る領域)2026.09
  11. XRPLAmendments(28/35=80% の賛成が2週間続くと有効化)2026.09 確認
  12. XRPLIntroducing XRP Ledger version 3.4.0(改正案 LendingProtocolV1_1:期間ロック型 Vault・現金主義の会計)2026.09.16
  13. XRPSCANAmendments(有効化日、Confidential Transfer 14/35・BatchV1_1 30/35・V1_1 0/35)2026.09.28 確認

投資助言ではありません。暗号資産には元本割れ・規制変更・流動性枯渇などのリスクがあります。

WHERE THIS ARTICLE SITS

この記事は、トップ 第4章「次世代金融と AGI」の 12 台帳の部品 を詳しくしたもの