NYSE 系 3 市場・DTC
- DTC の台帳が公式記録
- 同一 CUSIP・同一シンボル
- 既存の板・Reg NMS の中
- 登録済みの参加者
この記事は Ver3(2026.09.27)より前の見方で書かれています。いまの背骨は 「XRPは払うお金ではなく、払うお金を用意する在庫」——トップ 03「XRPの席」で1枚にまとめています。
XRP在庫仮説制度 · 更新 2026.09.21
2026年9月17日、SECは「Innovation Exemption」を出した。新しい法律ではなく、既存法の免除権限で、KYCされた参加者が公開ブロックチェーン上のAMMでトークン化米国株を取引する実験市場(Tokenized Securities Venue)を5年間だけ開通させた。SECの狙い、金融の配管での位置、MM・流動性・最終決済、そしてXRPにとって何が変わり何が変わっていないかを、図20枚で。
投資助言ではありません。SEC Order 34-106402(60頁)を一次資料として確認済み/仕組み/サイト仮説/未確認に分けて整理しています。命令文にXRP・XRPL・特定チェーンの名は一度も出ません。
参加者の許可制、公開・無許可チェーン上のスマートコントラクト、トークン化株と 4 種の資産との直接ペアは命令に明記。RFQ・Solver・Quote は命令が許容・開示対象とする trading interest と部品の例。
THE VENUE一枚の構造図:利用者は許可制、市場インフラは公開チェーン
第1章
01一枚の構造図確認済み
この記事の中心図。上から、検証済みの投資家・機関 → TSV(許可制AMM。RFQ・solver・Quoteが流れ込み、機関LPが流動性を入れる)→ スマートコントラクト → 公開ブロックチェーン → 受け渡される2つの脚(トークン化株と、マネー/資産)。以降の図はすべて、この一枚のどこかを拡大している。
参加者の許可制、公開・無許可チェーン上のスマートコントラクト、トークン化株と 4 種の資産との直接ペアは命令に明記。RFQ・Solver・Quote は命令が許容・開示対象とする trading interest と部品の例。
02法律ではなく免除確認済み
Release No. 34-106402(2026.09.17)。有効期間は2026.09.17〜2031.09.17。Atkins委員長は「法定権限の範囲内で」と強調し、Peirce委員は「この命令はDeFiについてのものではない」と述べた。CLARITY法案が議会で停滞する中、SECの既存権限で先に開けた、という時系列。
Atkins 委員長: 法定権限の範囲内で
Peirce 委員: この命令は DeFi についてのものではない
文脈イベントの日付は SEC 公表資料に基づく。免除は Release No. 34-106402。
03外した2つの定義確認済み
3(a)(1)「exchange」から外れると、国法取引所登録・ATS登録・Reg NMS上の trading center 扱いが一括で外れる。3(a)(5)「dealer」から外れると、自己資金をプールに入れる会社がブローカーディーラー登録なしで参加できる。どちらも条件付き・期限付き。
外れるのは定義該当性であり、条件を満たす間だけ。TSV 上で取引する登録ブローカーディーラーの最良執行義務などは外れない。
第2章
許可制の市場を、公開チェーンに置くとはどういうことか。
参加者はKYC、インフラは公開台帳。何と何を交換でき、価格形成と決済はどう分かれるか。
04許可制 × 公開チェーン確認済み
TSVは参加基準を定め、allow-list(ウォレット白名簿)やトークン側の送付先制限で執行できる。一方、使うスマートコントラクトは「監査可能・公開・public permissionless DLT 上に展開」が条件。命令は脚注で「許可制のAMMプールは無許可チェーン上に展開できる」と明記した。
許可制のプールを、無許可チェーン上に展開できる(命令 脚注)
allow-list とトークン側の送付先制限は命令が例示する執行手段。スマートコントラクトは監査可能・公開・public permissionless DLT 上が条件。
05何と何を交換できるか確認済み
非証券暗号資産の例として GENIUS 法の許可発行者による支払ステーブルコインが挙がるが、命令は「非証券暗号資産の種類を限定しない」と書き、どれを採用するかはTSVが決める。ペアは2脚以上でもよい。ただし各脚は必ずトークン化株と直接ペアである必要があり、USDC/BTC のような暗号資産同士のプールはTSV免除の対象外。
ペアは 2 脚以上でもよい。各脚はトークン化株・非証券暗号資産・トークン化 MMF のいずれか。
非証券暗号資産の種類は限定されず、採用は TSV が決める。暗号資産どうしのプールと合成トークンは免除の対象外。
06価格形成と決済は別仕組み
SECはTSVの利点として自己保管・24時間取引・端株・ほぼ即時の決済を挙げる。しかし清算・決済をどう行うかはTSVが公開Noticeで開示すべき項目であり、方式は指定されていない。「AMMによる決済」と一括りにすると制度を読み違える。
価格形成・流動性・執行
所有権の移転・決済
AMM が担うのは価格・流動性・執行。清算・決済の手順は TSV が公開 Notice で開示すべき項目で、方式は命令が指定していない。
07Uniswap限定ではない確認済み
つまり価格発見をRFQや外部市場で行い、AMMを「流動性を保持して最終的に交換を実行する部品」として使うハイブリッド構成を、命令は排除していない。ただしこれは「SECがprop-AMMを採用した」という意味ではなく、設計がそれを禁じていないという意味。x*y=k などの価格カーブも開示項目の一例として挙がる。
価格発見を全部カーブに任せる必要はない。命令はハイブリッド構成を排除していない。仕組み
order・quote・IOI・RFQ を trading interest と定義し、オフチェーン機能・oracle・solver・relayer・価格カーブの開示を求めるのは命令本文。SEC が特定構成を推奨した事実はない。
第3章
なぜ取引所に改造させず、定義から外したのか。
Reg NMSとプール価格は相性が悪い。改造ではなく免除で、小さく・透明に・5年だけ走らせる。
08Reg NMS との不整合確認済み
SEC自身が、他市場のより良い価格を飛び越えて約定してはならない trade-through(611)、気配の表示・配信(602)、最小価格刻み(612)への適合が難しいと説明した。612については、AMMがより細かい刻みで価格を出すため、丸めると裁定に影響すると書いている。なお611(trade-through)自体の廃止提案は2026.06.11に別途出ている。
100 株 + 10,000 USDC → 比率で価格
説明用の例| Rule 611 | Trade-through 禁止 | 他市場の良い価格を参照して飛び越えないことを要求。AMMは外部価格を参照せずプール比率で価格が出る611 自体の廃止提案が 2026.06.11 に別途 |
| Rule 602 | 気配の表示・配信 | Bid/Ask の表示・帰属・配信。他市場・市場ユーティリティとの接続を前提ブロックチェーンと統合されていない |
| Rule 612 | 最小価格刻み | AMM はより細かい刻みで価格を出す。丸めると価格と裁定に影響 |
不整合の説明は命令本文の記述に基づく。板・プールの数値は説明用。Rule 611 の廃止提案(2026.06.11)は別手続。
09サンドボックス設計確認済み
Tier 1 は S&P 500・Russell 1000 構成銘柄と名目ADV 200万ドル超のETP、Tier 2 はそれ以外のNMS株(権利・ワラントを除く)。出来高上限の初回超過は措置なし、2回目以降は当該銘柄を3か月停止。取引データはUSD換算・機械可読で過去30日分を公開し、価格・数量・時刻・方向・プールのコントラクトアドレス・日次出来高・日末プールサイズを含む。原市場の取引停止と同時に止める。
S&P 500・Russell 1000 構成銘柄、名目 ADV 200 万ドル超の ETP
それ以外の NMS 株(権利・ワラントを除く)
| 公開の速さ | 取引後 10 分以内に更新 |
|---|---|
| 公開の範囲 | 過去 30 日分、機械可読、無料 |
| 上限超過 | 初回は措置なし。2回目以降は当該銘柄を 3 か月停止 |
| 取引停止 | 原市場(主上場取引所)の停止と同時に止める |
| 銘柄数の数え方 | 関連 TSV と合算 |
Tier は LULD(限度値幅)の階層に合わせた区分。出来高比率は前月の ADV を分母にする。スライスの幅は見やすさのため誇張。
10野放しではない確認済み
価格連動だけの合成トークンや、株式連動債・スワップ型は対象外。TSVは信用供与・証拠金取引・資産の再担保を行えない。TSVは米国人でOFAC遵守、SEC登録や承認を示唆する表示は禁止。帳簿は免除終了後3年間保存。第三者トークン化株は発行体へ30日前に通知し、書面で反対されれば扱えない。
同等の権利(持分・配当・議決権・清算)の 4 要件、発行体通知 30 日、信用供与・再担保の禁止、米国人・OFAC、表示禁止、帳簿 3 年は命令本文。
第4章
誰が数億ドル分の株とマネーをプールに入れるのか。
Covered Firm という自己資本LPの枠。コミットされた流動性がなければAMMは動かない、とSEC自身が書いた。
11Covered Firm確認済み
条件は、活動をTSV提供のAMMプールに限ること、自己勘定のみで顧客資産を保管しないこと、資本余力・流動性供給契約・報酬(手数料・リベート・トークン)の記録、非登録である旨のウェブ開示、SECへの書面通知(名称・事業モデル・リスク管理の概要)。TSV外でのヘッジや自己売買は命令の射程外。
命令は「流動性供給だけではディーラーに当たらないが、顧客への価格提示や committed capital 契約は該当し得る」とし、その不確実性を免除で解いた。TSV 外のヘッジは射程外。
12流動性がなければ動かない仕組み
AMMの価格はプール内の資産比率から算出されるため、プールが浅いほど同じ注文で価格が大きく動く。命令はこの点を、LPの活動が「TSVの中核機能に必要不可欠」だと認める理由にした。図は説明用の概念図で、実プールの数値ではない。
Absent committed liquidity, the automated pricing and execution mechanisms of AMMs … cannot operate as designed.
コミットされた流動性がなければ、AMM の自動価格形成・執行は設計どおりに動かない。
SEC 命令本文
AMM の価格はプール内の比率から算出されるため、浅いほど同じ注文で価格が大きく動く。数値は説明用。
13機関MMのAMMサイト仮説
当サイトの推論。命令が許すのは、RFQ・IOI・オフチェーン機能・oracle・solver・relayer・機関LP・許可制プール・公開チェーンの組み合わせ。この部品群を一つにすると、価格計算をすべてカーブに任せず、AMMを執行と在庫保持の器として使う構成になる。SECがこれを推奨した事実はない。
部品それぞれの許容は命令本文で確認できる。それらを束ねた programmable MM という読み方は当サイトの推論で、SEC の推奨ではない。
第5章
TSVは、金融の配管のどこに置かれたか。
縦に分離した配管を、同じレールに近づける。DTC・NYSE・移管代理人規則と並ぶ一連の施策の一部。
14縦の配管 vs 同じレール仕組み
「置き換える」ではなく「近づける」。TSVの中でも清算・決済の手順は別途開示が必要で、信用供与はTSVの外にしか置けない。したがって、与信・ネッティングの層(PB)は依然としてTSVの外側に残る。配管の各段を担う会社がどう変わるかは 2 段目で。
2 段目: 業界地図を読むTSV の中でも清算・決済手順は別途開示が必要で、信用供与は禁止。与信・ネッティングの層は TSV の外に残る。
15SEC施策の連なり確認済み
2025.12.11 DTCへのスタッフ no-action(3年パイロット、Russell 1000・指数ETF・米国債)。2026.01.28 スタッフ「トークン化証券に関する声明」。2026.04.09 NYSE がトークン化証券の取引ルール(SR-NYSE-2026-17)を申請。2026.09.01 移管代理人規則の近代化提案(ブロックチェーンを株主名簿の原本に使える)。2026.09.17 Innovation Exemption と同日に24時間取引ラウンドテーブル。
トークン化パイロットへ no-action。3 年。Russell 1000・指数 ETF・米国債
トークン化証券に関する声明(分類の整理)
トークン化証券の取引ルール(SR-NYSE-2026-17)を申請。同一 CUSIP・同一シンボル
Reg NMS Rule 611(trade-through)の廃止提案
移管代理人規則の近代化提案。ブロックチェーンを株主名簿の原本にできる
Innovation Exemption(TSV / Covered Firm)発効
24 時間取引の準備ラウンドテーブル(清算・決済・レジリエンス)
日付・件名は SEC・DTCC・NYSE の公表資料に基づく。24 時間取引ラウンドテーブルは免除命令と同日開催。
16二本立て確認済み
既存型は DTC の台帳を公式記録にし、NYSE等が同一CUSIP・同一シンボルのトークン化証券を既存の板で扱う設計。TSV型は公開チェーン上のAMMで、Reg NMSの外で小さく走る。5年後にどちらへ寄せるかは決まっていない。
NYSE 系 3 市場・DTC
新規の TSV 運営者・Covered Firm
5 年後にどちらへ寄せるかは未決未確認
既存型は DTC の台帳を公式記録にし、NYSE 等が同一 CUSIP・同一シンボルで扱う設計。TSV 型は Reg NMS の外で小さく走る。どちらへ寄せるかは決まっていない。
17金融5層での位置サイト仮説
トップページ「全体構造」の5層に重ねた図。TSVは身元・権限(KYC・allow-list)を入口条件として要求し、流動性グラフ(AMM・MM・RFQ)と最終決済(トークン化マネーとの受け渡し)を一つの箱にした。信用供与を禁じているため、与信・リスク層は箱の外。XRPが座り得る位置(第4層の在庫・第5層の決済資産)は、この箱の中にも存在する。
トップページ「全体構造」の5層図5 層の区分は当サイトのトップページ「全体構造」と同じ。TSV を第 4・5 層をまたぐ箱として置くのは当サイトの見立て。第 3 層が外に残るのは命令の信用供与禁止による。
第6章
XRPにとって、何が変わり、何が変わっていないか。
命令文にXRPは一度も出ない。それでも「非証券暗号資産との直接ペア」という余地は制度に書かれた。
18名指しなし、余地あり未確認
60頁の命令文を全文検索して確認。したがって「SECがXRPを決済資産に採用」という話ではない。正確には、ある資産が「それ自体は証券でない暗号資産」に該当し、TSVが自らのデューデリジェンスで採用すれば、トークン化株との直接ペアに入る制度上の余地が作られた、まで。どの資産が該当するかを命令は判定していない。
XRPの規制上の資産区分を読む非証券暗号資産の種類は限定しない確認済み
命令文 60 頁を全文検索して確認。「種類を限定しない」は命令本文。どの資産が非証券暗号資産に該当するかを命令は判定していない。
19残差をオンチェーンでサイト仮説
当サイトの在庫仮説をTSVに重ねた図。命令はこの構造を規定していないが、RFQ・オフチェーン機能・solver・oracle・機関LP・許可制プール・公開チェーン・ほぼ即時決済のすべてを許容または想定している。TSVは信用供与ができないので、相殺・与信の工程はPB側(箱の外)に置くしかない。それがこの分業を制度的に後押しする。なぜ全部アトミックにならないか(ネッティングの算数)は 2 段目 第6章で。
2 段目: ネッティングと残差を読むTSV は信用供与ができない → 相殺・与信は箱の外に残る。制度が、この分業を後押しする。サイト仮説
命令はこの構造を規定していない。RFQ・オフチェーン機能・機関 LP・許可制プール・公開チェーン・ほぼ即時決済を許容・想定していること、信用供与を禁じていることは命令本文。
20決済脚の候補比較サイト仮説
当サイトの見立て。支払ステーブルコインは額面固定だが発行者リスクがあり、GENIUS法は発行者による利息支払いを制限する。トークン化MMFは利回りがあるが証券であり、命令は投資会社法の免除を与えていない。非証券暗号資産(XRPを含み得る)は発行者リスクがなく24時間動くが、価格変動をMMがヘッジする必要がある。株↔株はマネー脚が不要。どれが主流になるかは未確認。
4 種のペア可否は命令本文。得失の整理は当サイトの見立て。GENIUS 法の利息制限、トークン化 MMF が投資会社法の免除を受けないことは各公表資料に基づく。
第7章
215年後に決まること確認済み
命令末尾の request for comment から主要な論点を抜き出した。左が問い、右が現時点の設定。
22ウォッチ項目と反証未確認
TSVは運営前に公開Noticeを出し、Covered FirmはSECに通知する義務がある。したがって最初の実装は、公開情報として観測できる。
誰が、いつ、SEC への通知と公開 Notice を出すか
どの public permissionless DLT に AMM が展開されるか
Covered Firm として名乗り出るのは既存の機関 MM か、暗号ネイティブか
ステーブルコイン・MMF・非証券暗号資産のどれが主流になるか
いずれかの TSV が XRP をペア資産に採用するか。XRPL 系のレールが TSV に使われるか
0.25% / 2.5% に達して停止が起きるか
条件が重く、5 年間で実装が出ない、または規模が観察に足りない。制度は空箱のまま期限を迎える。
非証券暗号資産の脚が採用されず、TSV のマネー脚が支払ステーブルコインとトークン化 MMF だけになる。XRP への含意は消える。
DTC・NYSE のトークン化が先に規模を持ち、Reg NMS の中で完結する。TSV/AMM 型は補助線に留まる。
2031 年に恒久化されず、対象・上限も広がらない。実験として終わる。
機関フローの残差が既存の決済網で完結し、公開チェーンの AMM に流れない。当サイトの在庫仮説との接点が生まれない。
—主張の境界
命令文に書かれていることと、当サイトが命令の設計から推論したことを、文とラベルの両方で区別する。
—出典
法律事務所のメモは命令の要約として参照し、数値・条件は命令本文と照合した。
編集方針
SECの命令に書かれていることと、当サイトが命令の設計から推論したことを混ぜない。「SECがAMMを推した」「SECがXRPを想定した」とは書かない。書くのは「証券・マネー・暗号資産を同じ公開台帳上のプログラマブルな市場に載せることを、SECが正式な実証対象にした」までで、そこから先の含意はサイト仮説として置く。
編集方針・免責事項WHERE THIS ARTICLE SITS